2012年3月27日(Tue) 感覚をニュートラルに

私は車が好きな方で、マツダ・ロードスターを所有しています。ただ、普段は自宅から診療所まで2kmの距離を自転車で通勤しています。

先の震災で原子力発電の安全性の薄っぺらさを目の当たりにし、色々なエネルギーの無駄使いを少しでも抑えたいと思って、1年前にパナソニックのジェッターという電動アシスト自転車を購入しました。それ以降、三田市内であればどこでも自転車で行っています。一方、愛車のロードスターにはほとんど乗らなくなり、今は月に1回乗るか乗らないかといった感じです。

初めてジェッター(自転車)で夏の夜の舗装された農道を走った時の事は今でもはっきりと覚えています。

街灯が無い真っ暗な道で行き交う車もまばらです。顔には虫がバチバチと当たってくるし、田んぼからはカエルの鳴き声が怖いほど聞こえてきます。暗闇が怖くて、必死にペダルをこいで家に辿り着きました。

それまでは自動車の鉄板とガラス窓に守られた空間での移動が当たり前でしたが、この経験で生身の自分(人間)がいかに弱いのかがよくわかりました。

今朝、荷物が多いので久しぶりに車で出勤しました。道行く車を観察していると、保育園に子供を届けに来ている親は友人の車に気が行ってしまって、後ろを見ずにバックして後続車にぶつかりそうになっていました。

路地から出てきたベンツは”おれ様の方が偉いんだからお前が止まれ!”と言わんばかりの運転です。

ほとんど毎日自転車に乗って、生身の体で移動し、自分の足で漕いで進んでいると、自動車に慣れてしまった人間がいかに勘違いしているのかが見えてきます。本当に凄いのは車とガソリンなのに、自分が力を持っていると錯覚するんですね。

時には車を使わずに、感覚をニュートラルに戻される事をお勧めします。

感覚をニュートラルに