2008年12月30日(Tue) 2008年を振り返って

2008年がこの間始まったと思ったら、もう年の瀬です。今年は私にとって本当にたくさんの出来事がありました。中でも“人”が関わった出来事に深い印象があります。今年から岡山大学の顎顔面外科学の臨床講師に就任したこともあり,後輩の若い先生方に英保歯科に就職してもらい,スタッフも増員して英保歯科が大きく変化を遂げようとした1年でした。しかし、年末になってふと気がつくと,結局はまた元通りの英保歯科に戻っていました。少人数に戻りましたが素晴らしいスタッフに囲まれて,人として尊敬できるような素晴らしい患者さんに多く来院して頂き,自分自身が回りの人々によって大きく成長させてもらったと感じる1年でした。ありがとうございました。

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1月ー日本臨床口腔外科医会に入会を許されました。

今年の初めに久保茂正先生のご紹介で日本臨床口腔外科医会の入会審査を受け、入会を許可して頂きました。この会は口腔外科医として一定の基準をパスした者だけが入会を許されます。会員の活動も活発でレベルも高くお付き合いさせて頂く事で自分を磨く事ができそうな尊敬に値する先生がたくさん所属されています。今後がとても楽しみです。

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2月ーシカゴに行って来ました。

2月にはシカゴで開催されるAARDという学会に行って来ました。この学会も紹介があってやっとビジターとしての参加が許される非常に格の高い学会です。東京の岩田健男先生に、まさに“連れて行ってもらった”という感じでした。米国のハイソサイァティーの方々がどんなに素晴らしい人格や習慣を持っていらっしゃるかを初めて目の当たりにし、良い経験になりました。来年も参加予定です。

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3月ー福井一博教授が退官されました。

福井一博教授は私が大学院の時に研究の方法を一からご指導下さった先生です。福井先生のご指導により、虫歯菌の重要な遺伝子を世界で初めてクローニングすることができ、論文はジャーナル・オブ・バクテリオロジーという雑誌に掲載されました。今の私が科学的な思考回路を持っているのも、この福井先生のご指導のおかげなのです。退官される事はとても残念でした。

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4月ー長男の誕生!

4月には待望の男の子が生まれました。私は男兄弟の中で育った上に中学から男子校の寮に入ったので、ずっと男の中で生活してきたのですが、結婚してから生まれてくるのは女ばっかり。家の中は女だらけでしたが、やっと仲間ができました。この子とドライブに行ったり酒を飲みにいったりできるようになるのが今から楽しみです。

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5月ー新しい仲間がどんどん増えて。

春からドクターやスタッフなど新しい仲間がどんどん増えていきました。ピーク時には総勢11人と過去に経験したことのないような大所帯になり、とても賑やかで活気がありました。自分の意志とは関係なく物事が進んでいるようで、不思議な感覚がありました。

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6月ー口腔外科同門会での講演

今年は母校の岡山大学との縁が更に強くなった年でもありました。佐々木朗教授のご指示により口腔外科の同門会での講演という大役を果たす事ができました。インプラントについての講演をさせて頂いたのですが、腕に自信のある口腔外科専門医の集まりの中で話すのはさすがにプレッシャーがかかります。でも幸い評判は上々で、“良かった・。”という感じです。

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7月ーグアム研修旅行

今年の最大の思い出はこのグアム研修旅行です。英保歯科始まって以来の大人数で、初めての海外旅行でしたが、皆の協力のおかげで本当に楽しい旅行になりました。3日も共に過ごしているとお互いの人となりも良くわかり、本当に仲良くなり、打ちとけ合う事ができます。来年もどこか行こうと言う話になりつつあります。楽しみ。

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8月ー波照間

今年知り合えた友人、技工師の西島本周二さんのルーツがある波照間島も思い出のひとつです。日射しは人間を寄せ付けないほど強く、残酷なほどです。南紀に行った時にもその日射しに同じような感覚を覚える事があります。何であえてこんな過酷な所を選んで人が住み着いたのか?不思議な気持ちを起こさせ、私を魅了する波照間ブルーです。

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9月ーインプラント学会認証医試験

9月にはインプラント学会の認証医の資格を取るために、この年で試験を受けました。何歳になっても試験は嫌なものですね。大阪口腔インプラント研究会の阪本貴司先生に色々とご指導頂いて、無事乗り切ることができました。この時にも多くの人に助けられて自分があるのだなと感じました。

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10月ードクター・スタッフの退職

10月の頃には多くの別れがありました。ドクターやスタッフの退職が続き、賑やかだった英保歯科が急に静かになってしまいました。でもある意味落ち着いて治療にも集中できる環境が戻ってきたように感じています。これもいつものように、自分の意志や希望とは関係のない所で運命のままに事が運んでいるように感じました。

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11月ー新しい出会い

11月には新しい友人、知人が多くできました。技工士の西島本周二さんとの出会いに始まって畠山善行先生、本多正明先生、LAのティムさん、更にはハーレーのおっさんまで多くの人と会う事ができました。これからがまた楽しみです。

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12月ー大学での講義と学生とのメール

大学で講義をした時に学生からメールをもらいました。ちょっと長いのですが、このやり取りが印象に残っていますので最後に掲載したいと思います。 英保先生 はじめまして。岡山大学3年の○○○です。 ー中略ー 歯学の道に強く関心があったので歯学部に入りました。そして立派な歯科医師になろうと思っています。 3年にもなり、そろそろ具体的な将来に関する情報やイメージを身につけて行きたいと感じていました。 そこで先日、先生の興味深い講義を聞き、最後まで聞き入ってしまいました。 普段の授業と違い、先生の実体験も含めて、具体的な歯科医師像が見えた時間でした。 先生はさまざまな分野にわたって、活躍されていると思います。 特許を取得されたり、学会で発表されたり、広い人脈をお持ちで、僕の目には成功者のように映りました。 そして、それだけの知識と技術を身につけられた背後には、多くの努力があったのだと感じました。 インプラントから虫歯の治療、矯正にいたるまで先生が担当されているのですね。 個人的な意見ですが、僕が一番心に残ったのは、先生がベジタリアンだということです。 先生が心をとても大切にされているのがわかりましたし、その信条が成功の鍵にも思えました。 あまり深くを知らずに判断して申し訳ありませんが、そういったメッセージとして受け取らせていただきました。今回は忙しい中、僕たちに語ってくださってありがとうございました。お洒落なスライドでした。 まわりの友達も少々興奮しておりました。 今後、先生さえ不都合がなければ、いろいろと教えてくださればありがたいです。 乱文お許しください。 ○○○様 メール有難うございました。 私の事を成功者と言って下さいますが、私はただ天命のままに一日一日を一生懸命生きているだけです。自分の人生を振り返った時、自分の意志と力で、思い通りになったと思われるような事がありますか?私は良い事も、悪い事も、嬉しい事も、悲しい事も、全てが運命であり、ただ単に神の決めたシナリオのままに生かされているのではないかと思う事がよくあります。 先日の講義でも質問が出たのですが、時々私に“人脈や情報をどのようにして手に入れるのか?”と質問される方がおられます。私は特別な事は何もしていません。ただ、友人や先輩を大切にすることは当り前の事ですし、ご指摘のようにベジタリアンであるということ(30年近く肉類を断っています)は私にとって非常に重要な意味を持っていると考えています。 例えば私の歯科医師としての人生が他の歯科医師よりちょっとだけ輝いているとして、その理由が、もしも神様がおられて、何かのチャンスを私の隣人でなく私に与えてくれた結果だとしたら、神に感謝すると同時にベジタリアンを続けている事を神が見ていてくれたのだと感じます。これは非常に深い内容ですので、サラッと流して下さい。 診療中の見学は私の気が散ってしまって患者さんに迷惑がかかるので、最近は見学をご遠慮頂いているのですが、休み時間などでしたら来て頂いて結構ですのでどうぞお越し下さい。 Hirokazu Abo D.D.S., Ph. D.